アオモンツノカメムシ (Elasmostethus nubilus)
体長:7~9mm - 秋田県央内陸部 標高約450m ライトトラップ
山間部でのライトトラップに飛来した。
ヒメアオモンツノカメムシ(E. rotundus)との区別がやや難しいが、第7腹節両端が強く突出し雌雄ともに生殖節を超えることで区別できる(ヒメアオモンツノは雌雄とも生殖節を超えない→画像)。また、前胸背側角も三角状により突出している。4枚目に♂個体の比較画像を掲載した。
ベニモンツノカメムシ類にも似ているが、腹部腹面両側部に黒紋を欠くことで区別できる(腹面両側部に黒紋があるベニモンツノカメムシ → 画像)。
※ 2016.11月中旬 秋田市alt.25m
晩秋に住宅地を飛翔していた♀個体。山地よりも平地~丘陵帯環境に多く、ウドなどのウコギ科植物に見られる。庭木のヤツデなどについていることもある。秋田ではヒメアオモンツノカメムシのように多産はしていないようで、灯火へも頻繁に飛来することはない。
※ 2020.8月上旬 秋田県男鹿市 alt.80m
沿岸地域でのライトトラップに飛来した♂個体。
アオモンツノカメムシ(左)とヒメアオモンツノカメムシ(右)♂個体の背面からの比較。
アオモンツノの前胸背側角は三角状に尖る傾向がある。ヒメアオモンツノの小楯板の色彩は通常は淡い傾向にあるが、秋に羽化する個体はこの画像のような暗赤色でアオモンツノと紛らわしく見える個体が多い。色彩での区別は難しい。
アオモンツノカメムシの♂♀生殖節。ヒメアオモンツノとの区別点とされる「第7腹節両端が生殖節を超える」は♀個体で明瞭(赤ライン)。♂では同じくらいに見える個体が多い。
♂の外見上での明らかな違いは、本種は生殖節後縁腹面に多数の長毛を具えるのに対し、ヒメアオモンツノでは疎らであることが判りやすい。生殖節後方から見える把握器の形状では、本種では外縁が角張るところがある(左上小画像の青線部)。ヒメアオモンツノの把握器外縁は角ができずに円くなっている。
また、腹面から見た生殖節後縁中央は湾入しないことも区別点になると思われる(ヒメアオモンツノは中央がやや湾入する)。ヒメアオモンツノの生殖節 → 画像。
※ 2020年11月18日…♂個体の画像、ヒメアオモンツノとの比較画像、生殖節の画像を追加+追記